light 特殊環境対応LED照明 株式会社サンエスオプテック

働き方改革法と仮想通貨の活用

author:小池桃太郎

働き方改革法が、6月29日に参院本会議で可決し成立した。

これまでの生産性の悪い日本人の働き方が大きく変わってくる、これから日本で必要な「次世代の働き方」が追及される時代に突入だ。

労働人口が減ってくるこれからの日本の社会で、企業として生き残っていく為には、企業自体の改革も同時に大きく問われ、時代の中で生き残っていく為には「生産効率をあげる社内の仕組み化」が非常に重要になってくる。

社内では従業員が多く時間をかけていた、単純な作業などはIOTやロボットを活用して人から作業を移行していくなどして、作業効率を上げることが重要になってくる。

人がやっていた雑務的な仕事や単純作業などの仕事量を極力減らして、「人は、自発的に考え、行動し、成果を上げる業務に特化していく」時代に突入していく。ある意味、個人主義的な、自発的な行動が出来る従業員が働ける環境を作れるかが問われてくる。

当然、生産性の悪い会社や社内の経済制裁により働き方の生産性が悪い企業には人は来なくなるだろし、生産性が上がり、利益率が高い会社には人が集まってくる。非常に明確な社会の流れが出来てくる。

人が集まらない、今後、後継者がいなくてM&Aをされる企業は、歴史の流れの「既存社員のしがらみ」に足を引っ張られるので、トップダウンで企業の成り立ち方を変えていけるかどうか、非常に重要な時期でもある。

逆に、働き方改革法からいえることは、もう一つの在り方、時間給で働く仕事が明確に確立するということだ。

時間で稼ぐ仕事なので「誰が、働いても同じような結果が出る」仕事のみになりがちだ。代替えが簡単に出来る仕事は、何時間働いたから、その働いた時間でお金をもらうという、時間単価×労働単価(その人の持つ能力にそれほど依存しない単価)=給与体系になっていく。

自発性や成果を求めなくてよい仕事に対して適応される。その中で、個々の能力による差は若干、評価で査定されるが、受け取る金額には大きな差は生まれない。

時間単価の差はMAXでも、1.3倍前後以内の差ではないだろうか。1.5倍以上の差は出ないだろう。

(著者撮影:笑える人生か?)

私が20代で働いていた株式会社ディスコが、日経ビジネス2018年6月11日で、特集を組まれていた。 「ポストアメーバ経営」だ。

一部上場企業で、今では1674億円の売上で、最終利益は510億円、粗利益率59%の高効率企業だ。

「切る・削る・磨く」に特化した企業で、半導体製造装置メーカーで、日本の独自の経営手法と海外の取引先が多い関係で外資的な企業文化から、よく新聞などでも取り上げられる企業だ。

私がマーケティング部に所属していた頃から、稲盛経営塾の「アメーバ経営」を取り入れて、部門別の採算性を取り入れて進めていたが、

今回は、その「アメーバ経営」からさらに進化させた「超個人主義経営」で会社を運営しているというのだ。

さっそくディスコ時代の仲間たちに色々聞いてみた。

Q: ディスコで進めている超個人主義経営の中身ってどうなの?

A: 社内で、自由主義経済を進めていて、社内で仮想通貨「Will(ウィル)」を発行しているよ。社員一人一人が仮想通貨を所有し、社内外での自分の売り込みを行い、仕事を受けたりすることでWillを受け、仕事を委託したりすることで、Willを支払う。

自分の発案したプロジェクトを進める為に、社内で投資する人を集めて、成功したら投資してくれた人(投資家)にWillで支払うなど仮想通貨でやり取りをする。

あるセミナーを社内で開催したら、セミナーに参加する為にWillを支払う。また、社外から仕事を受けたら、それがWillに上乗せされて支払われる。そのWillの持っている量で、給与やボーナスの査定に大きく影響する為、お金を多くもらえる人は多くもらえる、また仕事が出来ると他の部署からWillを発行されて部署間でトレードなども行われる。

簡単にいうとそういう仕組みだよ。

ルールの細部まで徹底されているので、社員に自分を売り込む力、改善など提案をしていく力、人から仕事を依頼される力などが同時に試されるので、一人一人の個人の能力が大きく問われる仕組みだよ。

(著者撮影:一日の終焉)

だから、超個人主義経営なのか。実体経済の中での個人企業の在り方を社内で成り立たせる。

当然、社内で生き残れない人は、離脱していく。すごい仕組みだ。

ただ、これからの時代、特に働き方改革法が成立した今、遅かれ早かれ、個人個人の裁量、技量で売り込む時代になり、アメリカやドイツのように「生産性の高さが個人に求められる時代」になってくる。

今までの年功序列の時代は、今後は50歳をピークに終焉を迎えると個人的には感じる。年を重ねても、時代の流れについてくる情報量・技量・コミュニケーション能力、事業を進める熱意や力が問われるのだ。

50歳を超えたら、働き方の第2ステージだ。60歳は第3ステージ。70歳は第4ステージの働き方だ。

それだけ時代の流れが加速して早くなる。第3、第4ステージは時代の流れの早さに左右されない仕事が優先的になってくる。実務労働力に近くなるイメージだ。

私も(株)ディスコ時代はとても多くの事を学ばせてもらい、今の仕事の考え方のベースにもなっている。

(株)ディスコ時代にも、プロジェクトなどで御世話になった現社長の関家一馬さんがインタビューで答えていた。

「Willを取り入れるにあたって、普通の会社の官僚的なやり方で結果を出すタイプで、ポジションの高い人はほぼ会社を辞めました。

しかし、会社が強くなるには、従業員一人一人が、ものを考えて、判断する、実行する。そして、現状をさらに良くしようと、もがくんです。

それが強い組織を作る。それが企業として継続して強くなっていく。」

これからの時代を生き残っていく為には、これから大きく個人に裁量が与えられた自由主義経済の中で、アメリカやドイツのように「個人の力」が大きく試されていく時代になる。

「縦社会・横一列の社会」の働き方の時代は終焉を迎える。

fiber_new 世界と日本の新着記事

Page Top
menu_book 製品カタログ library_books プレゼン資料
mail_outline