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半導体戦争とカーボンニュートラル未来予想図Ⅰ

author:伴 貴雅

2050年、スペースX、イーロン・マスク財団は日本から放出されるCO2を大気圏外の火星近くの宇宙に無人小型貨物宇宙船を使って放出し、日本はCO2の排出0、カーボンニュートラルを何とか宣言通り達成した。しかしその費用は、およそ2兆円だった。

2021年4月にコロナ禍で多くの国が鎖国している中、日本から菅政権が訪米した。バイデン大統領は初の海外の首相との面談で、日本国を選んだ。そして、両者ともに2050年にはカーボンニュートラル、CO2の排出量を0にすると固く約束した。しかし、その前段階で2030年には2013年度比、46%の排出量の削減すると菅政権は伝え、バイデン政権は2005年比で50%削減するとお互いに笑顔で約束した。日本の産業の在り方を無視した無茶とも不可能ともいえる数字を達成すると菅政権は漫勉の笑みで約束したのが悲劇の始まりだった。

2030年にはすでに菅首相は辞めており、当時の記憶がないと関係者に話した。さらにそうした無謀な数字を日本に課した責任は自分にはないと伝えた。将来の日本の為というより、目の前のことが大事だったからだとBBCニュースでは取り上げた。宣言の裏には両者の駆け引きがあり2021年の東京オリンピック開催に向けて全面的にアメリカが支援して開催させる約束をすることが重要な責務だったからだ。その見返りにバイデン政権にCO2の削減目標の上乗せを迫られた。笑顔の裏には様々な駆け引きの思惑が見え隠れしたと当時の録画を見て心理学者が伝えていた。コロナ禍で大きなダメージを受けていた日本ではその排出量を抑えるだけの設備投資や技術革新を国の予算で進めることが出来ずに、2030年を迎えることとなった。

2030年の日本は2013年度比のCO2の削減目標46%を達成出来なかった。国として多くの酸素を海外からトレードして購入しなければいけないことになっていた。温室効果ガスの排出分を賄うため国民や企業に対して大幅な増税を行わなければならなかった。毎月の電気代請求の内訳には、燃料調整費、再エネ費用がすでに追加されていたがこれらに加えて、カーボントレード費やCO2排出費が並ぶことになった。

これは、各家庭や企業で、再エネ、つまり太陽光発電、風力発電、水力発電を屋根に乗せたり、窓に張り付けたり、庭に設置したり、自分の敷地にある水をうまく発電させたりして、自家発電で消費する全ての電気使用量を賄わなければいけないという制度であり、自家発電で消費する全ての電力を賄えない場合は、電気代の請求書に記載されているカーボントレード費やCO2排出費の支払いをさらにしなければならないという制度だった。

排出量が上回る場合はもちろん支払いをしなければならない。企業に関してはさらに高いペナルティ金額が課せられた。2021年、菅政権がバイデン政権とCO2の排出量の削減を宣言した後、日本で原子力発電を稼働させることが出来なかったのが原因だった。日本のCO2排出量は年間11億9100万トンで、41%がエネルギー事業によるものだった。つまり41%を占めるエネルギー事業が生み出すCO2を半分に減らすことが2030年に2013年度比の46%の削減をする上で大前提であったが、原子力発電の稼働に際して国民の理解を得ることが出来ず、それまでと同じ石炭火力、原油火力、天然ガス火力などCO2を大きく排出するやり方でしか電気を作ることが出来なかった。CO2をほとんど排出しない原子力発電所を稼働することが出来ずに電気を作る為にCO2を大きく排出する方法でしか日本は電気を作ることが出来なかったのが敗因だった。水素技術の革新もあり小型の水素発電所も国内の主要カ所に設置され始め、TOYOTAはフランスのEODev(エナジー・オブザーバー・ディベロップメント)に出資し、水素自動車向けの家庭用水素発電機の量産体制を確立したが、1台当たりの価格の関係もありまだまだ一般的な普及にまでは至らなかった。

CO2の排出に関しては次に産業分野が25%を占めていたが、そのほとんどが鉄鋼業界であり、CO2を大きく排出するのは、鉄を溶かすために高炉を1300℃に維持するために熱を24時間365日加えていることが前提でその高炉の燃料がコークスであった。鉄鋼業界では石炭より効率的に発熱量を増やすためにコークスを使っていた。しかしそのコークスはCO2の排出量が非常に高くそれが原因で25%の中でも大きなウェイトを占めていた。そうした産業分野でCO2を減らす為、JFEスチール広島がCO2を削減するためのフェローコークスを開発量産し、高炉内での燃焼反応を促進してCO2の排出を減らした技術を広めていた。

当然、自家発電で賄いきれない電気量は、購入しなければいけない。なかなか自家発電で全て賄うことが出来ず、消費量は電気自動車などの増加と同時に2030年の電気単価は、2021年度比の10倍になっていた。平均単価170円/Kwhだ。日本の国土では再エネの事業が法規制の中でなかなか進まず、石炭火力、石油火力、天然ガス火力で作るCO2の排出量が大きい電気の作り方が2030年でも主流だったからだ。

電気自動車が普及しても、チャージする電気代が高すぎて多くの人は自動車を持つことをやめた。ライドシェアのロボタクシが移動のメインになり、車も年間500万台の生産量から50万台の10分の1に減った。原発も動かせない日本は大量の電気使用量相当分のCO2の排出分を海外からトレードしなければならなくなっていた。これまで日本を支えてきた多くの基幹産業は生産性を上げても排出する全てのCO2を抑えることが出来ないため、生き残りが難しくなっていた。そこで、製造業は国としての排出量が低く大自然があり、電気を生み出す上でCO2排出量が少なく電気料金の単価が安い、再エネが主流の国を求めて日本を去って行った。法人税などの税金以上にCO2の排出単価が製品を生み出す上でのコストアップになり世界での価格競争に勝てなくなっていたのだ。日本では、そうした理由から電気料金が高くつく製造業がすでに成り立たなくなっていた。半面、人口が少なく豊かな自然や再エネをどんどん取り入れた国は、安い単価で電気を使えるので製造の生産拠点として重宝された。

当然、日本で暮らす人々も日々生活する上でCO2を排出していた。そのため、毎日CO2の排出量に伴い買い物先や外出先でその都度CO2排出量を支払わなければならない。マイナンバーカードが普及しなかった中、アップルウォッチのようなウェアブルデバイスが急激に普及し、CO2の排出に合わせてその都度、支払いをするのが当たり前の時代になっていた。ウェアブルデバイスとして非常に便利で全てを管理できたので、国民全員が付けることが義務付けられていた。政府はそれで日常で人々が出すCO2を換算していた。特に人が運動するとCO2の排出量が膨らむので、その分の酸素代金のチャージが大変だ。この時代は運動や移動をして、汗をかいたり活動するのは、お金に余裕がある人しかできず、多くの人は家でバーチャル旅行動画を見て旅行した気分になったりバーチャルゲーム・VRテレビに夢中だ。無駄に動くとCO2の排出が多くなるので、チャージをしておかないとアップルウオッチに電気信号を通じて怒られた。コロナ禍でマスクが義務付けられたので、多くの人は話すという行為を辞めていた。そのおかげで2021年以降、人ひとりの排出するCO2量はずいぶん減った。コロナ禍で政府の方針として飲食店で酒の提供をやめさせたので、大声で話す人は減りその恩恵で国はCO2の排出量を随分減らすことが出来た。

仕事でもほとんどの人が自宅のバーチャルオフィスで仕事をしていたので、企業は従業員の排出するCO2の支払いを随分と抑えることが出来た。仕事でも人は話すことがほとんどなくなり、日本ではQDレーザが開発したメガネでバーチャルPCの作業を行える技術が一般化した。目の動きと連動したバーチャルPCメガネで仕事が出来た。イーロンマスク財団が発明した脳で考えたことがそのまま電気信号になる人工知能を備えたニューラリンクは自分の考えがそのまま相手に伝わり、仕事も早く出来るためアッパー層には好評だった。一昔前は3Dプリンタが流行ったが、今では頭の中で描いたものが電気信号を通じてそのまま3Dプリンタで3Dになっていた。

反面、エッセンシャルワーカーと言われた現場主導型の仕事はIOTやロボットで対応できず、人の仕事として多数残っていた。建設現場の工程管理上でロボットをマネジメントをしたり、細かな工事作業、現場での感覚が重要視されるデザインやきめ細やかな配置、繊細なサービス業、飲食などでは配慮ある高級店でのサービス、生身の人間が行うエンターテインメントなどは人が動くためCO2の排出量も多かった。そのため、人が直接仕事をするビジネスは金額も高かった。エンタメを生ライブで見に行く為には、最低でも30,000円は必要だった。その為、ロボットへの置き換えもなかなか進まないビジネスは、人間としても一番稼げる仕事になっていた。体を動かして仕事が出来るのが一番人間らしいということで、重宝もされた。ジムを運営していたRAIZAPAはCO2の排出量を抑えるトレーニングをYouTube動画で国民に教えていた。国民一人当たりのCO2削減目標を国から指示されていたのだ。アマゾンのヘルスケアデバイスと組んで、Haloのウェラブルデバイスを身に着けていた人はアマゾンの生命保険に割安で入れた。その人の食生活・生活スタイルなどから健康に関しての状況がHaloを通じてわかる為、保険も安く出来た。また不摂生な生活スタイルをHaloがアドバイスしても出来なかった人は当然保険の掛け金も毎年上がっていったが、ほとんどの国民はそのアドバイスに従った。

なぜなら、日本ではアマゾンが保険業界で独占的な立場になっており、健康的な人はアマゾンの格安の保険に入りたかったからだった。他の保険会社よりかなり割安だった為、保険業界も淘汰され、それまで多くの利益を取っていた保険会社は軒並みダメになった。日々送られてくるクラウドから人のリスクを分析して、医療にかかる保険料が簡単に算出出来たからだ。またアマゾンの保険に入れない人は健康上の管理問題として仕事も与えられなかった。医療業界では、IOTのおかげで癌などほとんどの病気の過去の事例がデータ化され簡単に病気が発見できた。また、治療費も安くなり、国民健康保険で100%賄うことが出来た。任意保険は手術をする上では必要なくなり、保険診療も医者が人の代わりに全てロボットになっていたおかげで大幅に安くなっていた。人が医者になるという選択肢はなく、ロボット診療が当たり前の時代だった。診療は医者ロボット向けにマイクロソフトが開発したホロレンズを通じて簡単に解析され、データ化されていたので解析データをクラウド上(SaaS:サース)で沢山買うことが出来る病院ほど治療費は安く回転が早かった。また、人々は排出量を仮想通貨と同様に買いたい人、売りたい人同士でトレードするのが当たり前の時代になっており、2030年の4月のメルカリで一番売れたのはアラスカから個人輸入で大量に仕入れた格安の酸素で、30分でアップルウオッチ上で売り切れた。

2050年のカーボンニュートラル0の時代に向けて、2021年から半導体戦争が起こり始めていた。世の中で一番重要なのが、生活における全ての技術で必要な頭脳:半導体だった。「経済安保」安全保障や軍事力にも影響したからだ。

日本やアメリカの半導体技術が特化していた時代も終焉し、アップルからの大量の受託生産で世界の半導体をリードするようになっていたのが、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)。世界市場56%を占有し、2位のサムスン電子の18%に大きな差をつけ、さらに最先端の5ナノ製品に関しては、世界でこの1社しか出来ない頭脳集団だった。この最先端技術を持つTSMCが半導体製品を提供していた先は、米国アップルを始め中国のファーウェイだった。そして、ファーウェイがアメリカの基幹機密情報をファーウェイ製の通信機器を通じて盗んでいたことが発覚し、アメリカ政府はアメリカでの使用を禁止させ撤去させた。また使用していた企業に排除命令をした。同時にTSMCにファーウェイへの半導体製品の供給をストップさせた。その影響でファーウェイは一気に衰退した。2021年4月当時はTSMCの製品の提供先は25%を占めるアップルを始め、ブロードコム,クアルコム、インテル、エヌビディアと全てアメリカ企業になった。唯一の台湾企業ではメディアテックのみだった。

台湾企業のTSMCの技術を中国に渡してはいけない、また2021年以降、「半導体を制する者が世界を制する」バイテン首相はトランプ政権時代の政策を大きく取り入れて進められた。アメリカ国内での半導体の生産力を高めるために2.6兆円の莫大な補助金も投じた。開発で大きく遅れているインテルや米企業の開発拠点の為でもあった。また、TSMCが存在する台湾を守らなければならなかったのも理由の一つだった。TSMCの技術や生産量を確保するためにも、アメリカのアリゾナ州と日本の宮城に技術工場を作ることを発表した。TSMCの技術が盗まれる前に、その生産拠点の確保に急いでいたのだ。同時に中国はTSMCの最先端技術を使って世界を制しようとしていた。台湾のTSMCの持っていた技術が必要だったのだ。中国の言いなりにするためにも、尖閣諸島、南シナ海、台湾海峡などに中国船は攻めてきていた。2021年、台湾という小さな島国を通じた半導体戦争が米中を中心として始まった。

続く・・・・。

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