パリ協定は、地球の気温上昇を産業革命前と比較して2度未満に抑え、1.5度未満に抑えるための取り組みを推進するもので、IPCC の 1.5℃特別報告書は、気候変動の深刻な影響を回避するためには、2℃未満目標では不十分で、1.5℃目標をめざす必要があることも明らかにしている。
またこの目標達成のためには、2050年の CO2排出量を実質ゼロにする必要があること、2030 年には 2010 年比で約 45%削減が求められることを明らかにした。
2015年12月にパリで開催された国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定。現在、アメリカを含めて188カ国が参加しているが、前回のブログでトランプ大統領の離脱宣言があったのを伝えたが、次期大統領のバイテン氏は離脱を防ごうとしている。
アメリカの今後の動きがこの地球温暖化対策の中では大きなウエートを占めており、それは世界のリーダー的な存在である国であると同時に世界でもCO2の排出量が非常に多い国であることが理由として挙げられる。
出典)EDMC/温室効果ガスインベントリオフィス
この表は世界の国別でCO2の排出量を示しているが、アメリカは日本の約4倍以上CO2の排出国で、排出量も中国に次いで世界で2番目に大きい。アメリカがパリ協定から完全に離脱すると、地球の温暖化はほぼ防げないのだ。言ってしまえば、ヨーロッパ各国が輩出しているCO2排出量は一国当たりで見れば大したことがないのがわかる。このCO2の排出量を新たな技術革新で減らすことが出来れば、それがニューワールド時代の新技術になるのだが、トランプ大統領はエネルギー超大国にすると約束し、ガスや石油、石炭の生産コストを削減するためにも、多数の汚染対策法を破棄しようとまでしたのだ。これは完全にパリ協定に逆行している。
(出典)EDMC
今度はその国一人当たりの排出量を比較してみる。やはり大国のアメリカでは年間に一人当たり14.6トンも排出している。当然断トツの1位だ。そして2番目が韓国、ロシア、4番目の日本も一人当たり8.9トンもCO2を排出している。韓国は人口が少ない中で一人当たりの排出量が多いのがわかる。日本と韓国、ドイツは製造国として、ロシアは石油とガスの増産で経済成長をしてきた結果が上記の結果に関係している。アメリカは製造と石油を組み合わせた結果だ。それが今の先進国の便利な世の中を作り上げた。
しかしその結果、今後の地球は大規模で急激な気候変動の可能性が予想される。
その為にも一日も早い脱酸素社会の実現をしていかなければならない。
2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みを日本としても加速させていくことで、環境先進国としての技術を確立していき、新たなビジネスチャンスを得ていく機会を作れるはずだ。
特にコロナの影響もあり、今はニューワールドの世界構築の為、社会構造や産業が一気に様変わりしていく時代であり同時にCO2削減に対してこの激動の変化の中では取り組む流れが作りやすくもなっている気がする。
自動車産業は、排ガス規制もありガソリン車からEV車へ加速して進み、自動車大国であった日本の自動車関連企業は、今後新たな産業を生み出さなければならない。30,000点あった自動車部品は、EV化で10分1の3,000点で済むようになる。それに合わせて、関連企業数も10分の1で済むようになる。さらに先の時代では100分の1で済むようになる。自動車産業に関係する企業は、コロナの時代で様変わりする旅行業界・飲食業・航空・電車などと同じように近い将来変貌を遂げていかなければならない。
製造業も、豊かになりすぎた社会で、もの余りの時代になってきている。その為、商品・製品に対して廃棄が多い時代だ。これからこうした豊かさで作った物を廃棄するのでなく、再利用、再生していく時代になる。CO2の排出からO2を100%作り出す時代に移り変わっていく。
建築や土木などもこれまでの歴史では人が作っていた時代だったが、今後は人間が行う仕事は全て自動化でAIロボットが対応し、AOTで建築物・設備・道路などを管理し、自動でロボットが定期点検やリニューアルなどをする時代になっていく。
DX(デジタルトランスフォーメーション)でこれまで必要だった物やサービスが必要なくなり、ガラッと変わりデジタル化することが出来る。その結果、利便性も加速して高まりビジネスの仕方なども大きく変わってくる。当然それに合わせて、今までの労働人口も必要なくなる。
余談だが、今の労働人口が必然的に必要なくなる中で、憲法第25条にあるように、最低限の生活を保障する意味でも、全国民にベーシックインカムを12万円(振込金額)出すべきだと個人的には思う。このベーシックインカムを受けながら、好きなこと、得意な分野で働いていくことが出来るかどうかが非常に重要で日本の将来に明かりを導くことが出来るかどうか?非常に重要なキーワードに今後なってくる。雇用創出に助成金を出したり、雇用を生み出す為の産業や仕組み作りはすでに意味がなくなってきている。これに関しては、議論が長くなってしまうのでまたの機会で書いてみたい。
この気候変動との戦いの中で、人間は得てきた多くの技術を使い、さらに今こそDXを上手く活用し、CO2排出を0%にする技術革命と共に新たなビジネスチャンスの時代がやってくる。
「今後のキーワードは、全てDXを活用した再生技術がもたらす環境改革」