LEDは「明るさ」が魅力。でも、その明るさが思わぬデメリットになることも?
「LEDはとにかく明るい」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
実際、LEDの大きな特長の一つは、少ない電力で高い明るさを得られる点にあります。省エネ性能と長寿命を兼ね備えた、現代の照明技術の代表格ともいえる存在です。
しかし、この「明るさ」こそが、時に快適性を損なう原因になることをご存じでしょうか。

白く、強い光は集中力を高める「刺激剤」
LEDは光の波長を自由に調整できるため、非常に白くクリアな光をつくることが可能です。
そのため、オフィスや学校では「白く明るい光」が好まれます。白色光は、脳を刺激して交感神経を活性化させ、集中力や作業効率を高める効果があるといわれています。
実際、海外の最新オフィスでは「タスクライト」と呼ばれるデスク用の局所照明に、昼白色(5000K以上)のLEDが導入されています。これは、書類やPC作業などの視認性を最大限高めるためです。
照明がない時代は、太陽の光が人間の脳を刺激させ、昼間の活動を起こさせていたわけです。
家庭では「明るすぎる」光が目の疲労につながる?
ところが、この明るさは家庭でのくつろぎ時間には必ずしも最適とは言えません。
人間の目は本来、朝から夕方にかけての自然光に合わせて変化するようにできています。
昼間のような白く強い光を夜間に浴び続けると、脳が「今は活動時間だ」と誤認し、リラックスモードに切り替わりにくくなってしまうのです。
特に日本では「とにかく明るい照明が良い」と思われがちですが、実際にはこの過剰な明るさが、知らず知らずのうちに目や神経を疲れさせている原因になっていることが多いのです。
くつろぎ空間には「赤み」をプラス
家庭でリラックスしたいときには、光に「赤み」を取り入れるのが効果的です。
これは、暖色系の光(例えば電球色やキャンドルのような光)が、副交感神経を優位にし、心と体をリラックスさせる作用があるためです。
照明の色温度を表す「K(ケルビン)」でいうと、2700K前後がくつろぎの光に最適とされています。
温泉旅館や高級ホテルのラウンジで、あえて少し暗く、温かみのある光が使われているのはこの理由からです。
「高さ」を意識した光の演出
もう一つのポイントは、照明の「高さ」です。
家庭のくつろぎ空間では、天井の高い位置からの直線的な光ではなく、低い位置から間接的に広がる光がおすすめです。
例えば、テーブルランプやフロアランプ、ソファの後ろからそっと壁を照らす間接照明などが代表例です。
高さの低い照明は、まぶしさを抑え、やわらかな影を生み出し、空間全体を包み込むような心地よさを演出します。
知っておきたい「光の心理的効果」
- ✅ 強い白色光 → 活動・集中・仕事に適している
- ✅ 暖かい赤みのある光 → リラックス・休息・親しみを感じる
- ✅ 低い位置の光 → 包まれるような安心感、穏やかさ
- ✅ 高い位置の光 → 公共性・開放感
このように、光には単なる「明るさ」以上の心理的効果があります。
場面や目的に応じて使い分けることで、空間の快適性と機能性を飛躍的に高めることができます。
空間価値を最大化する、プロフェッショナルの照明提案を
サンエスオプテックは、マンション、ホテル、オフィス、工場など、法人のお客様向けに特化した照明ソリューションを提供してまいりました。
私たちはただ明るくするのではなく、空間全体の価値と人の体験を豊かにする「光のデザイン」を追求しています。LED照明の特性を最大限に活かしながら、快適性と省エネ性、美しさを両立させることが私たちの使命です。
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弊社の運営する現代アートと音楽がある空間ワインバー「アン・ディオール」の照明の在り方

右手のカウンター下から間接照明の2700Kの光
壁面の現代アートを照らす空間演出・絵画のバックライトとスポットライト

ワインセラー7つを並べた空間。天井からは反射しないダウンライトとポイントで強弱をつけたライティング。

カウンター上は、グラスだけにフォーカスしたライティングで邪魔なものを照らさない演出。