行政施設の照明更新、「詳しくないまま進める」となぜ、後で問題になるのか?

各県や地方自治体が管理する公共施設には、総合体育館のような大型施設の中に温水プール、サウナが入っていたり、ごみ焼却施設や高天井や吹き抜けのある公民館、体育館など、一般的な建物とはまったく条件の違う施設が数多く存在します。
しかし実際には、
- 照明は「設備の一部」
- 点灯していれば、問題ない
- 電気工事の業者に任せておけば、大丈夫
という認識のまま、LEDへの更新や大規模修繕時のLED化が進められているケースも少なくありません。
委託先の設計事務所の方が照明に詳しくない状態で判断してしまうこと自体は、しょうがないかもしれません。しかし、問題になるのは、専門性が必要な環境なのに、その前提条件が共有されないまま進んでしまうことです。
行政の施設照明は「特殊環境」の現場も多い
行政施設の多くは、照明にとって非常に過酷な条件を備えている場所が多くあります。それは、その地域の住民の暮らしがかかっているからです。
- 高温になるような施設
- 高湿度になるような施設
- 塩素・薬品などが舞うような施設
- 粉塵・腐食性ガスが舞っているような施設
- 高所・高天井で足場が組めないような施設
これらを考慮せず、一般的なLED照明を選定すると、「本来あるべき長寿命という概念でなく、その想定より早く壊れる」「交換頻度が多発して、工事代のコストが追加でかかる」「実際には住民の利用を考えると、閉館も出来ず交換工事も出来ないまま放置してしまう」「現場の運営上、照度JISの基準を満たさない状況を生んでしまう」など問題が多く出てしまう結果になりがちです。
例① 室内の温水プール・サウナ
塩素や湿気と熱が照明の寿命を縮める
温水プールやサウナは、
- 常時高湿度・100℃になる温度
- 塩素・薬品成分
といった条件が重なります。
一般的な照明を設置すると、
- 電子部品や電源部の腐食による不点灯
- LED素子への湿気の流入によるチップの変色
が早期に発生し、LEDなのに頻繁な交換が必要になります。「LED=長寿命」という前提が、環境によって簡単に崩れてしまう代表例です。
例② ごみ焼却場
腐食性ガス・温度・粉塵など様々な要因を想定しないと“使えない照明”になる
ごみ焼却場や関連施設では、
- 高温環境
- 非常にすごい量の粉塵
- 振動
- 腐食性ガス
が日常的に常に発生しています。
照明の耐熱性能や構造を考慮しないと、
- 短期間で故障
- メーカー保証対象外の時期に壊れてしまい保証がない
- 稼働時間を止めてまた工事をしていかないといけない手間が非常にかかる
といった事態になり、結果的に運用コストが増大します。
例③ 高天井のスポーツ施設
「交換のしづらさ」がコストを左右する
体育館やホールなどの高天井の空間では、
- 交換作業に高所作業車や足場を組む必要がある→既存のリフターが活用出来れば活用したLED化
- 利用停止の期間が作りにくい
- 夜間・休日作業だけだと全てのLED化をしていくの非常に工数と時間がかかる
といった制約があります。
照明選定を誤ると、「器具は安いが、交換費が高い」という本末転倒な結果になりがちです。長寿命・交換頻度低減を前提に設計しなければ、維持管理費は想像以上に膨らみます。
なぜ行政の様々な難しい施設こそ「照明のプロ」が必要なのか
行政の担当者が、すべての施設環境・照明仕様・将来の維持管理まで把握するのは現実的ではありません。
だからこそ重要なのが、
- 環境条件を整理して、長寿命化と保守メンテのことを考えた照明の在り方
- 施設ごとのリスクを言語化し、そのリスクをヘッジした照明器具をカスタムで対応していく
- 導入後のコストを下げた運用まで見据えた提案をしていく
照明の専門家を最初から関与させることで、電気工事業者さんや設計事務所さんではわかりにくい点をサポートしていく必要があります。
初期費用が高い安いの議論だけでなく、
- LED照明の見据える交換頻度
- LED照明への交換時の施工コスト
- 住民が利用する施設の休館時間を作らない、稼働中の交換リスクを避ける
まで含めて考えることで、本当の意味でのLED化とコスト削減につながります。
「照明が原因で問題が起きる」前に
行政施設では、 照明が壊れたことで
- 施設の利用が止まる
- 市民サービスに影響が出る
- 急な予算対応が必要になる
といった事態も起こり得ます。
照明は目立たない設備ですが、止まった瞬間に影響が大きい設備でもあります。
サンエスオプテックでは、行政施設・公共設備向けに、
- 温度・湿度・環境条件を踏まえたサポート
- 既存設備を活かしたLED更新の仕方と施工期間の短縮やコスト削減方法
- 将来の維持管理を見据えた設計の在り方
を行い、「行政の担当者の方が照明の在り方を判断できる状態」をつくることを大切にしています。
行政施設の照明更新は「知識フルに活用して進める」のが正解
照明に詳しくないことは、問題ではありません。問題なのは、詳しくないまま決断してしまうことです。最初から専門家の視点を入れることで、
- 無駄な照明の更新を防ぐ
- 想定できるリスクやトラブルを未然に防ぎ、交換後は完璧な状況を作りこむ
- 将来の追加予算リスクを下げる
ができます。
行政施設・公共設備の照明に関するご相談
「この施設、一般的な照明で大丈夫?」 「更新するとしたら、どこに注意すべき?」そんな段階からでも問題ありません。判断に必要な情報整理から、ぜひご相談ください。















