2009年04月08日

半導体新聞に掲載されました。

平成21年4月8日 / 半導体新聞

 

130年ぶりの新照明革命 第9回
~白色LED vs 有機EL~

株式会社サンエスオプテック 取締役 営業本部 伴 貴雅 氏に聞く

株式会社サンエスオプテック(東京都中央区銀座8-19-3、03-6803-1848)は、蛍光灯に代わる次世代照明として、独自の光拡散技術を用いた直管型LED照明「アプラ」を開発。設立は、2007年6月とまだ若い企業ながら、すでに導入実績を作り、量産化も開始した。同社の今後の戦略と課題について、取締役営業本部の伴貴雅氏にお話を伺った。

―――まずは貴社の設立背景から。
伴  私の父である当社の社長が、以前からLED照明技術の研究開発を支援しており、製品化のめどが立ったため2年前に起業した。私自身は、以前シリコンウエハー加工機メーカーでマーケティングや営業戦略を担当しており、半導体関連業界に精通していたため、営業・開発全般に携わっている。
08年12月に、主力製品である直管型LED照明「アプラ」の量産化が実現し、現在は全国的に販売特約店の拡大に注力している。これまで3ヵ月で5000本を売り上げた。

―――アプラの特徴を。
伴  高所用の「クリスタル」、明るさ重視の「ミスティ」、目に優しい「ミルキー」の3種類がある。ミルキーは、蛍光灯タイプのLEDでは日本で1番明るいと言われている。従来の蛍光灯と同じ40W型タイプのもので、全体の明るさは1800lmほどある。照度分布的には通常の蛍光灯と同等である。蛍光灯1本の消費電力が安定器のロスも含め、約50Wであるのに対し、アプラは21Wほどと半分以下だ。
蛍光灯タイプで困難な点は、照明の直下だけが眩しくなりがちで直下照度だけが高いのと放熱対策である。照度としての明るさは保ち、光をやわらげ、さらに消費電力を下げるという反比例する3つの要素をクリアすることが重要だ。これを、光源だけでなく反射板などのモジュール部分にも工夫を加えることで蛍光灯と同じ直下照度と照度分布を実現した。現在、この光拡散技術は国際特許申請中。

―――施工面でも工夫されています。
伴  そのとおりで、従来の安定器は蛍光灯用なので交流である。LEDは直流なので、そのまま取り付ければ様々な要因でショートして使えなくなってしまう。設置工事の際には、従来の安定器の代わりにLED用の電源ユニットを取り付けている。

―――生産体制について。
伴  当社は開発に特化したメーカーであり、LEDチップは日亜化学工業で当社用にオーダーメードしていただいている。生産は開発当初からご協力いただいた島根三洋電機で体制を築いてもらっている。近々に月産1万本体制を確立できるように進めている。
蛍光灯は消耗品だが、LED照明は半導体である。LED照明を設置することは、長寿命という製品の信頼を提供すること。民生品用に店頭販売はせず、特約販売店と連携して普及させていく。

蛍光灯型LED照明の量産拡大
白色タイプを09年度上期投入

―――具体的な導入事例は。
伴  官公庁やテレビ局に導入実績がある。このほか、お声がけいただいているのは工場関係で、アプラは紫外線も熱量も少なく、虫が寄り付きにくい。また、製品の劣化も抑えることができる。蛍光灯に代わる最適な照明である。
ベンチャー企業の利点は、ニッチな市場を素早く動けること。スピーディーな戦略が奏功し、各企業の予算編成時などに導入実績を持って売り込むことに注力できている。

―――今後の開発課題は。
伴  色のラインナップを増やすことです。色の感じ方は人それぞれなので、多様なニーズに応じられるよう蛍光灯と色味を揃える。現在ラインアップしている昼光色、昼白色に続き、白色を開発中だ。09年度の上半期中に市場投入していく。また、照度は現状でも十分だという評価もいただいているため、今後は照度を下げ、価格も下げた製品を提供していく。

―――今後の目標について。
伴  まずアプラで市場認知度を上げ、その後LED関連商品を販売していく。アプラの技術をベースに新しい技術を開発し、次のステップアップにつなげる。中長期的には年商50億円規模の企業に育てていく。

(聞き手・副編集長 津村明宏、澤登美英子記者)

 

このページのトップへ