2018年10月04日

管球交換と器具交換のメリット・デメリットとは

従来型の蛍光灯や水銀灯のLED化を検討する際の悩みどころは「管球交換」で進めるか「器具交換」で進めるかではないでしょうか。

今回は蛍光灯に的を絞ってご説明します。水銀灯には逆の側面もあるため、これはまた別の機会に。

器具交換」は文字通り、照明機器を器具ごと丸々LED製品に交換すること。また「管球交換」はあまり言葉に馴染みがないかもしれませんが、いわゆる従来型の蛍光灯と同じ口金を持ったLED照明を灯具はそのまま流用して取り付ける方法のことです。

それぞれメリット、デメリットがあります。
器具交換」のメリットは何といっても「器具が新しくなる」ためイメージが良いこと。
管球交換」のメリットは、灯具を流用できる分、コストが低く抑えられること。
器具交換」のデメリットは器具ごと交換となるためコストが高くなること。
管球交換」のデメリットは外観がそのままであり、新味に欠けること。

このあたりは単純に誰でも思い至るところだと思います。
今回は、あまり一般の人が思い至らない隠れたLEDのデメリットについて、あえてご説明したいと思います。

サンエスオプテックは、蛍光灯については「管球交換」でのLED化をベースとしてお勧めしておりその立場での説明となりますのでご了承お願いいたします。

LED照明の2大メリットと言えば、「省電力」「長寿命」が思い浮かびます。

LED照明のカタログを見るとどれにも「設計寿命40,000時間」と判で押したように書かれています。
蛍光灯の寿命が6,000時間から12,000時間と言われていますので3~6倍も長持ちします。

では蛍光灯の灯具の方はどうでしょうか?
蛍光灯は寿命は短いものの、安価で交換が容易な球だけ交換すれば灯具は約15年は持ちます。また、故障原因の最大要因である安定器の交換さえすれば30年、40年持つ事も珍しくありません。

先程、LED照明の多くは設計寿命が40,000時間だと書きました。
1日約12時間、365日で計算すると約9年から約10年に相当する時間です。1日24時間点灯していれば約4年から約5年というところです。
これは「管球交換」でも「器具交換」でも同じです。

 

今、器具交換をして「スマートで格好よく」LED化をしました。
さて、それでは10年後以降にはどのようなことになるのでしょうか?

器具交換となったLED照明の寿命は10年程度と考えられます。
保証の範囲ではありませんが、故障さえしなければその程度は持つと思います。
ではその寿命となった時にはどのようなことになるのでしょうか。従来の蛍光灯と違い、実質的に管球の交換はできません。

つまり、照明機器としての製品の寿命は、蛍光灯具がメンテナンスをすれば30年以上なのに対し、10年程度、早ければ5年程度で終わってしまいます。

「だからLEDライトバーが交換できるようになっている」と言われるかもしれません。
大手メーカー様には大変恐縮ですが、一つカタログを引用致します。

Panasonic
XLX450DENC-LE9 定価24,000円
– 器具本体 定価3,000円
– ライトバー 定価21,000円
のセット

この構成を見て解る通り、実は現在販売されているユニット交換型LEDベースライトの価格は、その9割近くがライトバーユニットの価格なのです。
保証が切れれば有償交換となるわけですが、そのたびにこの高額なLEDライトバーユニットを交換することになります。

また、現在ライトバーは各社独自の仕様となっており、蛍光灯のように互換性がありませんし、電気店の店頭にライトバーが並んでいたりもしません。

10年後の未来にはLEDを取り巻く環境ももう少し整理されていると考えられます。
LEDの効率も上がり、安くもなっているかもしれませんし、何か簡単に交換できる共通の規格が策定されているかもしれません。

そんな10年後の市場で、10年前に「一時的に」決めた独自規格の高価なLEDライトバーがまともに供給されているでしょうか?
弊社では「新しいものに変えた方が安いので買い替えて下さい」ということになっていると予想しています。

日本の大手メーカーはGX16t-5(L形口金)というLEDのための共通の口金の規格を作り、販売をしてきましたが、軸足をライトバー仕様に移行させ実質的に放棄してしまった実績がありますので、日本の大手だからと言って決して楽観はできないと思います。

これが「実質的に管球の交換はできません」と説明した理由です。

 

サンエスオプテックが「管球交換」をお勧めするのは、現在の蛍光灯具がまだ使用できる状態なら、「管球交換であと10年」頑張ってもらって、LED照明業界がもっと成熟した時にお金をかけて次を考えるべきだと考えているからです。

今、器具交換しても、管球交換しても、結局10年後にもう一回、入替えを考えなければならないのは同じなのです。それであれば今はコストを抑えた方が良いのです。

もちろん、ただ安ければ良いわけではありません。少なくともしっかり10年以上は使い切れる信頼性の高いものを選択しておく必要があります。
保証が切れた2,3年で故障してしまうものを選択するのが最悪だと思います。

このように言われてしまうと「LED化したくない」気持ちになってしまうかもしれませんが、省電力化の電気代削減効果により、10年あれば次の買い替え分以上のコストメリットが出ますので「途中で壊れてしまう」品質のものでなければどちらを選択しても「損」はしません。

 

今現在は蛍光灯からLEDへ世代交代する過渡期です。

蛍光灯は今、国の政策的にその役割を自然減ではなく強制的な形で終えようとしています。
もう蛍光灯は新しい器具が手に入りません

数年のうちにLED化が必須となる事については議論の余地は無いと思いますし、LED化による省電力のメリットを最大化するためにも一日も早く替えた方が良いのも間違いありません。
過渡期に規格の固まっていない新しいものに飛びつくのは相当なマニアです。

例えるならば、「今」電気自動車や水素燃料電池自動車を買うような。
それが主流にならずとも、結果的に成功だったと言えない状況でも、それを選択した自分に誇りを持って笑っていられる人=マニアの選択です。

今は過渡期と割り切って「管球交換」=ハイブリッド自動車で賢くLED化をする時期なのではないでしょうか。

 

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