実は2月9日に新聞は大きなニュースで一面を賑わせていたが、その裏では、LED照明業界全体に激震が走っていた。

シチズン時計の子会社のシチズン電子(山梨県富士吉田市)が照明用の発光ダイオード(LED)部品の試験データを改竄(かいざん)していたと発表したのだ。

シチズン電子の郷田義弘社長が9日付で引責辞任するなど役員3人の処分も公表した。社長が辞任するというのは相当な問題が発生したということだ。

その問題とは平成24年4月~28年12月に北米の取引先向けに提出した21件の試験データで改ざんが行われたということだ。

LED部品の明るさを一定期間計測し、時間の経過に伴って明るさをどれくらい維持できるかなどを測定したデータについて、実際より高い数値に書き換えたり、サンプル数を水増ししたりした。量産段階では品質向上対策を取ったため、同社は「性能に問題はない」としたそうだ。

簡単に言うと、実験データ上、10,000時間の寿命でしかないものを60,000時間の寿命と書き換えたのだ。

これはLED照明の製品でいえば、製品の寿命が60,000時間と記載していながら、実は10,000時間しか持たない部品を使って、販売していたことになる。だから、LED照明が切れても当たり前のことになる。

この改ざんの理由が取引先が求める水準を示さないと注文を失うと恐れたのが動機だという。だから、改ざんした。

シチズン電子の内情を説明すると、株主には5%シェアを持つ日亜化学工業がある。LEDチップは日亜化学工業から仕入れ、蛍光体は、三菱化学、封止材は日東電工や東レを使用して、LEDパッケージを生産して(モジュールやデバイス)として出荷している。

生産能力は、日本工場と中国工場で月産7億8000万個で、日本では日亜化学工業、豊田合成に次いで多い。

特に大型の照明用(水銀灯の代替などで使用するCOBのLEDチップ)のLEDモジュールを生産している。

2016年度の白色LEDチップの世界の生産シェアでは、上位6番目に位置している。

  1. 日亜化学工業(日本)19%
  2. サムソン(韓国)8%
  3. LGイノテック(韓国)7.7%
  4. ソウルセミコン(韓国)2.3%
  5. オスラムオプト(ドイツ)2.0%
  6. シチズン電子(日本)1.8%

シチズン電子は昨年の11月にも別の電子部品について、実際とは異なる製造場所を示すラベルを貼って出荷していたことを公表したばかりだ。弁護士らを加えた第三者委員会の調査で、LED部品に新たな不正が見つかった。

簡単に言うと、製造場所を山梨県(富士吉田)の製品のロットシールに貼られていたのだが、実は中国(江門)で生産していた。取引先の119社に問題のある部品を出荷していたことが判明した。閉鎖的な社風と売り上げ至上主義が慣行となっていたことなどが原因だというのが、日本で生産していないことを取引先に伝えることで、取引きの障害が起きることが原因とみられ伝えていなかった。

 昨年11月に公表した製造場所の偽装は、10年4月~17年6月の約7年に及んでいた。119社へ計13億個超を出荷していた、とのことだがそうするとLED照明のこれまでの時代で生産していたほとんどのLEDチップの生産拠点を偽装していたことになる。

また、納品先の119社がどこの会社か公表をしていないが、その納品先のLED照明・製造メーカーで使用されているLEDチップが偽装品だということになり問題だ。エンドユーザーの目に直接触れることはないLEDチップだが、購入したLED照明の製品の中に使用されているLEDチップが偽装品ということになる。

最近、ホームセンターでこういう張り紙が製品の前に貼ってあった。

「衝撃の事実!」

LED電球の寿命はLEDの寿命ではなかった!LEDを点灯させるために内部にある電子回路(特にコンデンサー)の寿命による不点灯がほとんどです。と書いてる。案外分かっているホームセンターだと感心した。

多分、それだけ一般のお客様から「高いお金払って買ったLED電球が切れた!」というクレームが多いのだと思う。

結局、「安かろう悪かろう」で、適切な価格で販売されていない安い製品は、中国で生産していて、コンデンサーも安物を使用しているので、結局簡単に壊れてしまうということだ。

中国で自社工場でしっかり管理されていれば、問題を防げるとしても下記の点が問題点となりがちだ。

①人の管理が難しい:ヒューマンエラー(人的ミス)で、半田付けの不良などで、製品のロットで不良が起こる。

使用していて1年位はもっているので最初は分からないのだが、時間が経つにつれ、使用頻度によって2,3年で電気のオン・オフを繰り返しているうちに熱で、半田付けの甘さが出てきて、内部で電気の接触がなくなり、不点灯になる。工場から出荷する際の出荷検査で24時間のエージング(点灯テスト)では、出てこない不良の現象だ。

②原価を下げる為に、部材の重要なコンデンサーなどの耐熱温度が35℃以下の部品を使用すると、(実際の点灯している場所がエアコンなどの効いている家庭のリビングなどであれば問題ないが)、夏場など暑くなる場所に設置して使用していれば、コンデンサーのキャパオーバーになり、部品の寿命は短くなる。だから、当然製品も不点灯になる。使用環境は非常に重要なのだ。

この写真の張り紙にも、使用の仕方が書いてある。

「LED電球には1つ1つ細かい電子部品を多く使用しています。誤った使用をすると短寿命の原因になります。箱や説明署の注意書き、使用方法などをよくお読みになり、正しくお使いください」

結局、使用方法を間違っていると、LED照明を使用しても寿命が短く切れてしまうということだ。

そんなことは素人に求めても分かるものなのか?と疑ってしまう。プロが提案するべきではないのか?

その為、私は現場の使用環境などに合わせたLED照明を導入する必要があると伝えている。

設置する現場の状況に関わらず、設置する側は目先の安さだけに思わず手を出してしまいがちだが、「安物買いの銭失い」になってしまう。どんなものでも、価格とは適正価格があって、安いというのは、安いなりの理由があるのだ。

特に法人向けに関しては、長期保証(器具と交換工事費含めた保証)が長い目で見た時に、非常に重要なポイントなってくる。

LED製品だけでなく、製品の長期保証の在り方というのが、上記の記事や張り紙を見れば、重要だということがわかってくる。