「なんとか、命だけは助けてください!」事務所の扉を何度もたたく。T.B事前に電話で予約をしている訳ではないので、名医は事務所にいないかもしれない。ましてや土曜日だ。静まり返った中、扉を何度も強くたたく。近所に迷惑かと思いながらもそんなことは言っていられない。事務所といっても、アパートの一室のような場所だ。ドアホンもなく、扉を叩く音は辺りにこだまする。「誰?」部屋の中から、緊張した声が聞こえた。「以前お世話になった者です。ちょっとウイルスに侵されてしまって、大変なんです。」「ちょっと待って。」部屋の中をごそごそ音を立てて、物を移動している感じが伝わる。「知っての通り、玄関狭いから。」ガチャッと扉を開けてくれた。
-5分後-部屋の中-ウイルスに侵された事情を説明した。「まずいね。これから身体をCTスキャンかけて、ウィルスがどこにいるか調べるけど、どんどん菌が広がっている可能性があるね。」CTスキャンをかけると、デスクトップにあるアイコンやファイルが、消え始めた。1つまた1つ消え始め、最新の資料や作成中の資料を保存しているファイルが消えていく。
「ちょっと、消え始めていますよ!」「この資料作り直すの大変なんですよ!」「どうにかしてください!」CTスキャンをし始めたことに気がついたのか、ウイルスは身体内で転移を繰り返しているかのように画面上のファイルを消していった。全てのファイルを消したと思ったら、突然画面が真っ暗になった。「なんだ・・・これは?」真っ暗な画面が、渦をまいているようだ。「なんだ・・・菌が黒い影に変色してきているぞ。」突然、音がし始めた。ギッギギギー、ギッギギー、ギッギ、ギー。何かがきしむ音だ。嫌な音だ。ポッターン。ポッターン。突然、雨のしずくが落ちるような音がし始めた。(続く・・・・)
$☆街に明かりを☆次世代に輝きを!